ピンホールカメラで描くPARIS サンケイリビング新聞社主催
1997年4月30日(水)〜5月6日(火)
1997年8月15日(金)〜8月20日(水)
小倉井筒屋8階催事場
東急百貨店吉祥寺店8階催事場
 

statements

 私が針穴写真と出会ったのは1990年のことです。針穴写真を初めて見たとき、今まで目にしてきた写真と何か違うものを感じました。その写真は、中心が明るく外側に向かって暗い、動いたものがブレていて、ちょっとピンボケに感じられるものでした。

 そんな写真に魅かれた私は、自分でも針穴写真を撮ってみたいと思い、たまたま目に留まった針穴写真の講習会に参加することで、幸運にも針穴写真との付き合いを始めることができました。

 日本でも針穴写真に対する関心が、ここ1〜2年の間に高まりつつあります。便利なものに囲まれた時代に、敢えて手間隙のかかる針穴写真を撮るということに、何らかの意味を見出す人が増えてきたということでしょう。それは、写真は「光」が描き出す絵であるという根本的な原理に改めて気付いたり、見慣れてしまった、レンズによる「瞬間的」な写真とはどこか違う、私たちの想像を超えた映像に新たな魅力を感じるといったことです。

 今回出展する作品は、1993年から今春までにパリで撮影したものです。様々な映像で世界中の人々に既になじみのあるパリの風景ですが、レンズを通した映像と比較してその違いを感じていただき、「写真の原点」とも呼ばれる針穴写真の魅力を再発見していただければ幸いです。

                                            田所美惠子
manual/material/monochrome pinhole photography by Mieko Tadokoro
by          Mieko Tadokoro
PINHOLE PHOTOGRAPHY